フードロスやフェアトレード、エシカル食品の違いとは?

フードロス、フェアトレード、エシカル食品。最近よく耳にする言葉ですが、いずれも私たちの「食」に関係した言葉であり、SDGsにも密接に関わっています。本コラムでは、それぞれの言葉の意味と違い、そしてSDGsとの関わりや持続可能な社会を目指して、私たちが今できることを考えます。

フードロス、フェアトレード、エシカル食品の違い

食とサステナビリティにまつわる掲題の3つのキーワードの違いとはなんでしょうか?
下記の表に簡単にまとめています。
まず「フードロス」は、本来食品として余すところなく使い切るべき食材を無駄に捨ててしまっていることを課題にしているのですが、「フェアトレード」や「エシカル食品」は、食品が作られる過程において起きる人為的な問題を解決するべきだとして、持続可能な開発目標として設定されています。

フードロス

それでは、その違いについて詳しく紹介していきましょう。

■フードロス
「フードロス」とは、まだ食べられるのに捨てられている食品のことです。
農林水産省及び環境省で発表されている「令和2年度推計」では、日本の食品廃棄物2372万トンのうち、2割以上にあたる522万トンがフードロスと推計されています。これは、1人当たり毎日113g(お茶碗約1杯分)が捨てられている計算で、政府はこの量を2030年度までに2000年度の半分に減らすという目標を掲げています。

フードロス

(資料:農林水産省及び環境省「令和2年度推計」)

■フェアトレード
次に「フェアトレード」です。フェアトレードとは「公平な貿易」という意味ですが、残念ながら世界では公平ではない、アンフェアな貿易も行われています。
本来貿易は、売る側・買う側両方が対等なはずですが、アンフェアな貿易ではたいてい買う側が大きな力を持ち、大きな利益を得ます。時には労働者を劣悪な環境で安い賃金で働かせたり、製品を適正な価格で購入しないケースが後を絶たないのです。

このようなシステムを見直し、フェアなトレードで輸入されたものをフェアトレード商品と呼びます。

■エシカル食品
そして3つ目のキーワードが「エシカル食品」です。従来、多くの食品は「美味しい・安い・見た目がいい」という基準を優先して作られてきましたが、エシカル食品はこのような価値観だけではなく、環境や人、動植物にやさしいという価値観をプラスして作られた食品のことです。

たとえば、「過剰な農薬や食品添加物を使っていない」「健康的に育てられた家畜である」「地元で生産された食材である」「環境にやさしいパッケージを使っている」などの要素が挙げられます。
この考え方は食品だけでなく、地球環境や社会、生産者の労働環境などに配慮して製造された衣類は「エシカルファッション」と呼ばれ、他にもコスメや日用品などがあります。
こういった「エシカルなもの」を選択する消費行動を「エシカル消費」といい、フェアトレード商品を選ぶことは、エシカル消費の1つであるといえます。


SDGsとの関わり

フードロス、フェアトレード、エシカルは、単に「もったいない」という感情だけの問題ではありません。地球全体に影響を与えかねないテーマであり、2015年9月にニューヨークの国連本部で開催された「持続可能な開発サミット」で登場したSDGsと密接に結びついています。
たとえばフードロス削減は、廃棄物処理のコスト削減やCO2削減につながるため、SDGsの目標12「つくる責任 使う責任」、目標13「気候変動に具体的な対策を」に貢献します。

さらに、フェアトレード商品やエシカル食品の購入は、目標1「貧困をなくそう」、目標8「働きがいも 経済成長も」、目標10「人や国の不平等をなくそう」に当てはまります。そのほか、目標2「飢餓をゼロに」、目標3「すべての人に健康と福祉を」など、多くの項目に関係しています。特にフェアトレードに関しては、目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」にも関連しています。

日本のSDGs達成度は、2022年には世界で19位でした。特に地球環境に関係する項目では「深刻な課題がある」と世界から評されています。 SDGsに興味や関心があっても、「どのように参加すればよいのか分からない」「関心はあるけど参加するにはハードルが高いのでは」と考えている方もいるのではないでしょうか? SDGsの中でもエシカル消費やフードロス削減は、誰もが今すぐにでも取り組むことが可能です。その具体的な方法をご紹介します。

消費者がすぐにでもできるエシカル消費やフードロス削減

フードロス削減の第一歩として、冷蔵庫をチェックしてみましょう。整理することで何があるのか把握すると、不要な買い物を防げます。買い物時、すぐに食べる予定の商品は「手前取り」をしましょう。

新鮮なうちに下処理をして冷凍保存すると、食材の傷みを避けられます。使いたいときにさっと使えるので、時短料理にも便利です。
また、捨てる部分をなるべく減らすために、野菜や果物などよく洗うことで皮をむかずに食べられるものもあります。

備蓄食料も見直してみましょう。期限が迫っているものがあるのではないでしょうか?
消費者庁のホームページには「乾パンを使ったティラミス」や「さばの味噌煮缶で作ったハンバーグ」など、美味しそうなレシピがいっぱいです。そして、食べた分だけ備蓄食材を買い足していく「ローリングストック法」に切り替えることが理想的です。

エシカル消費の観点では、フェアトレード食品を選択することや、地産地消の食品を選ぶことも有効です。例えば、フェアトレード食品の代表的なものとしてチョコレートがありますが、種類が豊富でパッケージもおしゃれなものが多いので、お気に入りの商品を見つけるのも楽しいかもしれません。

最後に、フードロス削減やフェアトレード、エシカル消費の普及には、事業者側の努力も欠かせません。別の記事でご紹介しましたが、フードロスの53%は事業者から出ています。実際、フードテックなど最先端のテクノロジーを活用してフードロスを削減しようというアプローチも始まっています。事業者・消費者双方が協力することで、より地球にやさしい、新しい食生活をスタンダードにしたいものです。




まとめ

フードロス削減、フェアトレード商品・エシカル食品の購入は、私たちがすぐ始められる一番身近なSDGsです。お茶碗1杯分のフードロスを、まずは今日、少しでも減らすことから始めてみてはいかがでしょうか。

[参考]
政府広報オンライン:
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201303/4.html

消費者庁:
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/food_loss/education/
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/food_loss/efforts/assets/efforts_220614_0001.pdf
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/food_loss/pamphlet/assets/2022_guide_book_7mb_part1_230102_02.pdf
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/food_loss/efforts/pdf/efforts_190305_0003.pdf
https://www.ethical.caa.go.jp/

fairtrade Japan:
https://www.fairtrade-jp.org/about_fairtrade/sus.php

認定NPO法人 シャプラニール=市民による海外協力の会:
https://www.shaplaneer.org/youcan/fairtrade/

朝日新聞デジタル:
https://www.asahi.com/sdgs/article/14635843

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