エシカルコーヒーとは? フェアトレードが実現する格差のない世界

日本は、コーヒーを多く消費する国の1つです。朝起きた時や仕事の合間のコーヒーを楽しみにしている人も多いことでしょう。一方で、1杯のコーヒーが私たちの手元に届くまでに、実は様々な問題が発生していることをご存知でしょうか?
生産者や生産地を守るエシカルコーヒーの意味とその具体的な取り組み、そしてエシカルコーヒーを見分けるポイントについて解説します。
コーヒー好きなら知っておきたい、1杯のコーヒーの価値をぐっと上げる「飲み方」についてもご紹介します。

エシカルコーヒーとは? 注目される背景

「Ethical(エシカル)」は「倫理的な」という意味で、エシカルコーヒーは「倫理的なコーヒー」という意味を持ちますが、「倫理的なコーヒー」といわれてもピンときませんよね。
実は、コーヒーが生産されてから私たちの口に入るまでには、多くの倫理的な問題が存在しているのです。

まずは、コーヒーの生産者に関する問題です。
コーヒーの生産地は主に開発途上国であり、生産者は劣悪な環境で、低賃金で働いている場合が多くあります。また、児童労働も問題となっています。
生産地やコーヒーの種類にもよりますが、私たちが飲む1杯のコーヒー(500円前後)のうち、生産者の手に渡るのは1〜3円程度という計算もあり、輸出入の際に不平等な条件下での取引があることが指摘されています。

そして、コーヒー生産地の環境問題も見過ごせません。
コーヒーの木を植えるために多くの森林が違法伐採され、それにより生態系が破壊され、さらに森の消失で二酸化炭素排出量が増加し、災害や気候変動の原因となっています。
今のままでは、2050年にはアラビカ種のコーヒーを栽培できる土地が半減すると予想されており、そうなるとコーヒー生産に携わる多くの人が職を失います。 加えて、コーヒーを精製する時に出る大量の廃水や果肉処理も問題となっています。

このような様々な倫理的問題への対策を行い、同時に高品質を維持しているコーヒーが、倫理的なコーヒー「エシカルコーヒー」と呼ばれているのです。

生産者と生産地を守る! エシカルコーヒーの取り組み

エシカルコーヒーがコーヒー生産者を守る取り組みとして、「フェアトレード」が挙げられます。
フェアトレードでは「最低価格」を設けており、コーヒー豆の市場価格がどんなに下がっても生産者は安定した収入を得ることができます。また1ポンド(約454g)ごとに20セントの「奨励金」が生産者の組合に支払われ、生産者はそのお金を社会のために自由に活用できます。もちろん生産者側も、労働条件や生産環境に関するルールを守らなければなりません。

企業も様々な形で支援しています。生産国のがん検診など健康支援を行う企業や、生産者コミュニティをサポートするため、現地にサポートセンターを設立し、工芸品を作るプログラムなどを実施している企業もあります。

またコーヒー生産地を守るために、環境に配慮したコーヒー作りの技術提供も行われています。たとえば「森林農法(アグロフォレストリー)」という農法の導入です。森林を伐採してコーヒーだけを大量に植えるプランテーションと異なり、アグロフォレストリーではバナナやマンゴーなど様々な樹木と一緒にコーヒーを育てます。世話にも収穫にも手間はかかりますが、生態系を守り、コーヒー以外の収穫物も得ることができます。

その他にも有機肥料による土作りや病気に強い品種開発、廃水浄化システムなど、生産者と生産地を守るため、エシカルコーヒーには多くの支援が集まっています。



エシカルコーヒーをもっと楽しむには

日本でも、様々なブランドのエシカルコーヒーを購入できます。
エシカルコーヒーを見分けるポイントとして、パッケージに認証マークが記載されているか確認することです。
公正な取引で輸入された証である「国際フェアトレード認証」や、オーガニック栽培であることを証明する「有機JAS認証」はその目安となります。ほかにも「バードフレンドリー認証」や「FSC認証」、「レインフォレスト・アライアンス認証」などは、そのコーヒーが森林や生態系に配慮した方法で栽培されていることの証です。

エシカルなコーヒーを購入したら、エシカルな飲み方でおうちコーヒーを楽しんでみてはいかがでしょうか? たとえば紙ではなく、金属や陶器のフィルターもおすすめです。こうしたフィルターは繰り返し使えますし、スタイリッシュなステンレス製フィルターなら油分ごとドリップできるので、より深い味わいになります。多孔質性セラミックを使った陶器フィルターなら、水のカルキ臭が取り除かれ、まろやかな味わいを楽しめます。
飲み終わった後のコーヒーかすも、乾燥させれば環境にやさしい脱臭剤や食器洗剤として再利用することができます。

エシカルコーヒーは、自然を守りながら公正な取引で生産され輸入されています。コーヒー栽培が難しくなりつつある今、1杯のコーヒーを飲むことでコーヒー生産者と産地を守り、格差のない世界を実現するSDGs達成の一助になるのです。



まとめ

エシカルコーヒーへ関心をもち、購入してみることはSDGsへの貢献につながります。
また、これまでとは違う視点でコーヒー豆を選ぶことで、新しいコーヒーとの出会いもあるかもしれません。次にコーヒー豆を購入する際に、認証マークやパッケージに注目して選んでみるのはどうでしょうか?

[参考]
気候変動適応情報プラットフォーム:
https://adaptation-platform.nies.go.jp/articles/case_study/vol38.html

朝日新聞デジタル:
https://miraimedia.asahi.com/terrace_03/

林野庁:
https://www.rinya.maff.go.jp/j/suigen/suigen/con_1.html

フェアトレードジャパン:
https://www.fairtrade-jp.org/about_fairtrade/intl_standard.php

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