LGBTQIAの基礎知識。多様性と人権を認め合う世界へ

2023.6.30

ある調査によると、LGBTの割合は左利きの人と同じといわれています。本記事では、より身近な課題となったLGBTの基礎知識としてよく使われる用語の意味と、LGBTが直面している困難について解説します。
すべての人が多様性と人権を認め合う世界のために、私たちは何ができるのでしょうか。
身近な人を悲しませないための思いやりをもった言葉や、行動のあり方について考えます。


LGBTQIA の基礎知識〜用語と割合

LGBTQIAとは、レズビアン(性的指向が女性にある女性)、ゲイ(性的指向が男性にある男性)、バイセクシャル(性的指向が女性にも男性にもある人)、トランスジェンダー(自身の体の性と性認識が一致しない人)、クエスチョン(自身の性別や性的指向が分からない・決められない・決めない人)、インターセックス(体の性に関わる部位が一般的な男女のかたちと異なる人)、アセクシャル(誰にも性的指向を持たない人)を指します。

人の性のあり方は千差万別です。上記以外にも、アジェンダー(ジェンダーがないという認識を持つ人)、トゥースピリット(複数の性役割を生きる人)、ポリアモリー(複数愛)、キンキー(特殊な性的指向を持つ人)など、様々な性的マイノリティを指して「LGBTQIA+(プラス)」と表現されることもあります。
ほかにも、「Sexual Orientation(性的指向)」・「Gender Identity(性自認)」・「Expression(性表現)」の頭文字をとった「SOGIE(ソジー)」という言葉も登場しています。
すべての人がそれぞれの性のあり方を持っており“LGBTはその中の一部”とする考え方も現れました。

ある調査によると、日本の人口の約5〜8%の人が性的マイノリティに該当するとされています。これは左利きや血液型がAB型の人の割合とほぼ同じであり、LGBTQIAはとても身近な存在であるといえます。


LGBTQIA が抱える困難と諸外国の状況

LGBTQIAは身近な存在ですが、残念ながら、性的マイノリティであるために、社会の様々な分野で偏見や差別に直面しています。

たとえば、学校で同級生や先生に「気持ち悪い」「男のくせに」「女のくせに」などの心ない言葉をかけられたり、いじめられたりすることがあります。また、そうなることを恐れて自分の指向や自認などひたすら隠すために学校に行けなくなったりする子もいます。ほかにも、就職活動中や就職後にセクシャルハラスメントにあう人や、自分は同意していないのにLGBTQIAであることを他言される、つまりアウティングされて傷つく人は少なくありません。

近年では、性的マイノリティを取り巻く状況は少しずつ変化しています。
たとえばアメリカでは、he(彼)ともshe(彼女)とも呼ばれたくない人のために「they」を使おうという流れが広がりました。
同性婚も多くの国で合法化・法制化されています。1989年、デンマークで初めて法制化されたことを皮切りに、今では世界の約20%、50近くの国と地域が同性婚や同性パートナーシップ制度などを法律で認めています。


多様性と人権を認め合うために――国内のLGBTQIA への取り組み

日本では同性婚が法制化されていませんが、自治体レベルで少しずつ同性パートナーシップが認められています。
2015年に東京都渋谷区と世田谷区が初めて同性パートナーシップ証明を発行し、今では全1759の自治体のうち278の自治体がパートナーシップ制度を導入しています。これによって、日本の人口の68.4%がこの制度を利用できるようになりました。

最近では同性パートナーを対象にしたサービスが充実しており、保険金の受取人に指定できる生命保険や「家族割」を適用できる電話会社、マイルを家族として適用できる航空会社も登場しました。
企業では人事や福祉厚生制度を改定し、LGBTQIAに配慮したサービスや商品を増やすといった動きもみられます。学校でも制服の選択肢を増やすなど、身近なところから改善されています。

私たち個人では、どのような点に気をつければよいのでしょうか。
たとえば冗談のつもりでも、相手を傷つける可能性がある言葉を使わないことです。また、周囲で面白半分にそうした会話をしている人がいれば、同調しないことも大切です。
そうすることで、まずは自分から、多様性と人権を認める学校や企業、社会の雰囲気づくりに貢献することができます。

また、誰かに性的マイノリティであることを打ち明けられても、本人の同意なくその人のセクシャリティを言いふらしてはいけません。これはアウティングと呼ばれる行為で、人のセクシャリティを許可なく公表するという意味で使われます。



まとめ

LGBTQIA問題は、誰にとっても無関係ではありません。
自分とは違う感じ方・考え方をする人がいることを知り、受け止め、尊重することがすべての人に求められています。
身近な人を傷つけないためにも、自分の何気ない行動や言葉を振り返り、気をつけていきたいですね。

[参考]
法務省(長崎県人権・同和対策課):
https://www.moj.go.jp/content/001341628.pdf

参議院常任委員会調査室:
https://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2017pdf/20171109003.pdf

公益財団法人 人権教育啓発推進センター:
https://www.jinken-library.jp/study/gender.php

NPO法人EMA日本:
http://emajapan.org/

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